WSFモントリオールまとめ⑧〜ケベックにおける社会運動

WSF2016モントリオールを語るとき、忘れてはならないのは開催地ケベック州における社会運動の蓄積です。ケベック州はカナダで唯一、フランス語を公用語とする州であることは広く知られていますが、高い組織率を誇る労働組合運動、長い歴史と広い裾野を持つ社会的連帯経済活動、先住民の活動、「メープルの春」と言われる2014年春の学生ストライキと40万人の街頭デモなどはあまり知られていません。私自身も、WSF開催中にATTACケベックの活動家から教えてもらったり、自分で調べていく中で初めて知ったことでした。

Img_0

ATTACケベックの活動家に話を聞くと、「ケベックと他の英語圏カナダとは全く違う。言語も、歴史も、社会も、そして社会運動も異なっている」と言います。言語の面では、フランス語人口が州人口の4分の3を占めています。政治面でも、州議会に議席のある政党はすべてケベックの地方政党(現在の政権党・ケベック自由党は、カナダ自由党と関係は強いが、支部ではない)です。

労働組合の組織率は約40%とも言われ、アメリカを含む北米の中でも際立って高い数字です。WSF関連のいくつかの会議が行われたFIQビルは、非常に立派な建物ですがケベック看護師組合のものだそうで、全員加盟の組合は強固な組織力と財政力を持っていると聞きました。組合員の政治教育にも熱心で、ATTACケベックにも講師依頼がくるとのこと。

また、社会的連帯経済が、ケベック州の経済の中で大きな位置を占めています。利潤追求を第一に考えず、社会的貢献を優先する連帯経済は、地域住民によるコミュニティセンターやクリニック、保育園などの自主運営などから始まり、住宅協同組合、民衆教育グループ、女性や若者のグループ、地域開発企業、社会包摂企業など、7000社以上の社会的経済企業を擁し、12万5000人を雇用しています。こうした企業全体では170億カナダドル(約1.61兆円)以上の売上高があり、ケベック州のGDPの7~8%を占めているのです。その活動を法的にもバックアップするために、社会的経済法も制定されています(2013年)。

ケベック州の連帯経済についてはこちらから。ポデモスに学ぶシンポジウムでお世話になった廣田さんによる紹介文です。

「メープルの春」と言われる2012年春の学費値上げ反対の学生の闘いも、こうした分厚い社会的基盤があって、社会的な広がりを作り出すことができたと言えます。運動のピークには40万人のデモがモントリオール市内で行われました。

「メープルの春」についてはこちらから。デモの動画はこちらから。

この記事へのコメント