ATTAC/CADTMモロッコの声明(全文)

昨日アップしたATTAC/CADTMモロッコの声明について、全文を掲載します。なお、英語版の原文はこちらから。

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ATTAC/CADTMモロッコの声明(2016年9月15日)

COP22 マラケシュ(モロッコ)に向けて

気候変動に対する社会運動の戦略は何か?

 モロッコは11月7-18日、マラケシュで開催されるCOP22を主宰するための準備を進めている。COP22はエコロジーの危機の深刻化 – それは資本主義システムが直面している文明の危機の1つの側面である - という背景の中で開催される。今回のCOP会合はまた、これまでの会合が温室効果ガス排出削減と工業大国に対する拘束力を伴う措置の導入に失敗してきたという背景の中で開催される。工業大国は依然として石炭、天然ガス、石油、鉱物および種々のエネルギー源の採取や、工業的農業、土壌・海・大気の中に存在する天然資源から利益を上げる多国籍企業のニーズに従っている。


 世界の有力者たちは「グリーンな投資」をベースとした解決策を提案しているが、それは生産力主義、消費主義の論理の破滅的影響をさらに悪化させるものである。この論理は、少数の支配的な人たちが地球上の大多数の人々 – 現在の世代と将来の世代を含む – の犠牲の上に自らを富裕化させるものである。
 モロッコでは国際金融機関や企業によって押し付けられている政策は同じ目的を持っている。すなわち、外国および国内の企業がわれわれの国の豊かな資源を強奪し、都市および農村の大衆、貧困階級を困窮化させることである。政策を決定する者たちは人間と環境を破壊する政策を遂行する上で、自分たちの責任を逃れようとする。その代わりに彼らは気候変動について語り、「グリーン開発」のプロジェクトを打ち上げる。それは公的な投資を通じて民間資本のための新しい分野を創出し、その一方で公的債務を悪化させ、緊縮政策をもたらす。さらに悪いことには、それはいかなる経済的、社会的、環境的な実現性調査なしで進められている。
 COP22を主宰することによってこれらの政治家たちはまた、この国の政治的安定性を強調することで「グリーンな投資」を持続させようとしている。一方、国際機関や主要大国はモロッコをこの地域における「例外」として描き出すことによって彼らの新植民地的政策を維持しようとしている。
 これらの政治家たちは自分たちの政策に箔を付けるために、COP22の国内運営委員会(2016年に国王が指名)に「市民社会代表」の枠を設けることによって市民社会団体を取り込もうとしている。この「市民社会代表」はCOP22の準備のためのロードマップを作成した。その中には国内の12の地域における活動(市民社会、種々の国家機関、民間セクターが参加する)や、アフリカ大陸ツアーが含まれる。このツアーはアフリカの12の国においてNGOやネットワークや連合組織の間での、COP22の課題とモロッコの役割についての関心を高めることを目的としている。
 この政府公認の動きにモロッコ・クライメートジャスティス(公正な気候)連合(CMJC)が参加している。CMJCはこのロードマップに従いつつ、独自にモロッコのいくつかの地域で「COP22プレ企画」と称する集まりを計画している。これはCOPのイメージに沿って企画されている。つまり、気候変動に関する知識の普及から専門知識の提供まで、そして政府機関や民間セクターによって進められてきた気候変動対策についての展示、種々の「パートナー」の間の対話などである。このすべてが国家やそのパートナーに対する一切の批判や、それらからの独立性なしに進められている。しかもこのCMJCは今年5月にチュニジアのハンマメットで開催された「社会的公正とクラーメートジャスティスのためのマグレブ・フォーラム」など、国外での市民社会の動員に関与している。そしてこれらのすべての準備が、9月23 – 25日にマラケシュで開催されるCMJC呼びかけの国際会議に集約されようとしている。
 このように公認の市民社会団体とCMJCは、COP22の期間中の祝祭的雰囲気の醸成に寄与している。そのような雰囲気は、クラーメート・ジャスティスをめぐる論争、不平等を永続化させる政治的、経済的、社会的な選択をめぐる広範な論争を回避して、「グリーンなプロジェクト」の推進とそのための資金の調達にお墨付きを与えることに通じるだろう。
 ATTAC/CADTMモロッコは気候変動の問題が専門家だけの問題ではなく、また、政府間の交渉に限定されるような問題ではないと考える。私たちにとって、気候変動は市民の日常生活の中心にある問題であり、市民たちは社会・環境の条件の劣化を引き起こしている自由主義的政策との決別を求めている。市民たちはまた、真の民主主義の中で解決策をめぐる決定に関与および参加することを求めており、そのような解決策は社会的公正と富の分配における平等をベースとしたものでなければならない。そのためには社会的不公正の犠牲者である大衆の諸階級を結集する闘争を先導することが必要である。
ATTAC/CADTMモロッコはまた、モロッコ国家が自らの目的に奉仕させるためにCMJCを取り込もうとすることを容認できない。この点がCMJC内での運営委員会の多数派のアプローチと私たちとの中心的な対立点であり、私たちが今年前半にCMJCから脱退した主要な理由である。それだけではなく、私たちは民主主義の欠如と決定手続きの不透明性にも重大な懸念を抱いていた。
 CMJCによって主導されているこの半官製の動きと並行して、ATTAC/CADTMモロッコは「COP22を監視するための民主主義的ネットワーク」(REDACOP22)の中でいくつかの市民団体、人権団体、労働組合と連携してきた。このネットワークはこの国で政治的・経済的権力を行使している勢力や国際的な債権者、援助国から独立した民主主義的な環境運動の確立を目指している。私たちはこれを環境の破壊と劣化の実際の被害者、つまり労働者階級、貧農、小規模漁民、遊牧民、先住民族等の動員をベースとして実現しようと計画している。REDACOP22は現在、大衆の環境をめぐる闘争の経験に依拠したローカル組織の設立を進めている。私たちはこの戦略的枠組みの中でCOP22をめぐる動員のために尽力している。社会的公正と環境問題における公正の実現を目指す抵抗闘争の形態に焦点を当てるためである。
 ATTAC/CADTMモロッコは11月4-5日に、モロッコで最も気候変動の影響を受けている都市の1つであるサフィにおいてクライメートジャスティスに関する国際会議を開催する。同6日にはREDACOP22がマラケシュで開催する国際会議に参加する。
 ATTAC/CADTMモロッコは、マラケシュでのCOP22開催の全期間を通じて、真のクライメートジャスティスのためのあらゆるイニシアチブや動員に参加する用意がある。私たちのアクションはCOP22で公式に検討されるまやかしの、市場ベースの提案や解決策を非難することに焦点を当てる。エコロジーの危機が資本主義システムの危機の最も危険な側面であるという事実は、私たちがラディカルなオルタナティブの発展に尽力することを促している。

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