RCEP神戸会合関連情報〜交渉の基本指針及び目的

2月27日からはじまるRCEP神戸会合について、ようやくメディアでも報道されるようになってきました。

26日のケルシーさん講演会で配布された資料「東アジア地域包括的経済連携(RCEP)交渉の基本指針及び目的(仮訳)」を掲載します。

東アジア地域包括的経済連携(RCEP)交渉の基本指針及び目的 (仮訳)

「東アジア地域包括的経済連携(RCEP)に関する ASEAN の枠組み」を認識しつつ、RCEP 交渉を立上げる目的は、東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国及び ASEAN の FTA パート ナー諸国の間で、現代的な、包括的な、質の高い、かつ、互恵的な経済連携協定を達成する ことである。RCEP は物品貿易、サービス貿易、投資、経済及び技術協力、知的財産、競争、 紛争解決及びその他の事項を含む。

RCEP 交渉に当たっては、新たな地域的経済構造における ASEAN の中心性、及び、参加 国間の経済統合、衡平な経済発展及び経済協力強化を支援し、貢献することについての ASEAN の FTA パートナー諸国の利益を認識する。

RCEP 交渉は次の原則を指針とする:

1. RCEP は GATT 第 24 条、GATS 第 5 条を含む WTO と整合的である。

2. RCEP では、参加国の個別のかつ多様な事情を認識しつつ、既存の ASEAN+1FTA よりも相当程度改善した、より広く、深い約束がなされる。

3. RCEP は、貿易及び投資を円滑化する規定、参加国間での貿易及び投資関係の透明性 を向上する規定、及び国際的、地域的サプライチェーンへの参加国の関与を促進する規 定を含む。

4. 参加国の異なる発展段階を考慮し、RCEP は、適用される場合には、既存の ASEAN+ 1FTA に整合的な形で、特別のかつ異なる待遇並びに ASEAN 加盟国の後発開発途上 国に対する追加的な柔軟性についての規定を含む適切な形の柔軟性を含む。

5. ASEAN+1FTA 及び参加国間の二国間・多数国間 FTA は存続し、RCEP 協定のいか なる規定もこれらの二国間・多数国間 FTA の条件に影響を及ぼすことはない。

6. 当初から交渉に参加しなかった ASEAN の FTA パートナー国は、他の全ての参加国が 合意する条件に従い、交渉への参加が許される。また、RCEP 協定には、RCEP 交渉に 参加しなかった ASEAN の FTA パートナー国及び域外の経済パートナー国が RCEP 交渉完了後に参加できるよう、開かれた加盟条項が設けられる。

7. 技術協力及び能力開発に関する規定は、ASEAN+1FTA を基礎として、全ての参加国 が十分に交渉に参加し、RCEP の下での義務を実施し、RCEP の利益を享受できるよう、 RCEP に参加する途上国及び後発開発途上国に対して利用可能となり得る。

8. 包括的かつバランスのとれた成果を確保するため、物品貿易、サービス貿易、投資及 びその他の分野の交渉は並行して行われる。

I. 物品貿易

RCEP は、参加国の間で自由貿易地域を構築するために、実質上全ての物品貿易についての関税及び非関税障壁を漸進的に撤廃することを目指す。

関税交渉は包括的なものとして行われる。このような交渉は、RCEP 参加国の既存の自由化 レベルを基礎として、また、品目数及び貿易額の双方で高い割合の関税撤廃を通じて、高い レベルの関税自由化を達成することを目指すべきである。関税の譲許は、地域的な経済統合 の利益の最大化を追求すべきである。

ASEAN の後発開発途上国1の関心品目の早期関税撤廃は、優先事項とする。

II. サービス貿易

RCEP は、包括的でかつ質が高く、また、RCEP 参加国の間でのサービス貿易に関する制限 及び/又は差別的な措置を実質的に撤廃する。

RCEP の下でのサービス貿易に関する規則及び義務は、サービスの貿易に関する一般協定 (GATS)に整合的であり、GATS 及び ASEAN+1FTA における RCEP 参加国の約束を基 礎として自由化約束の達成を目指す。全ての分野と提供形態が交渉の対象となる。

III. 投資

RCEP は、地域において自由な、円滑な、かつ、競争力のある投資環境を作り出すことを目指
す。RCEP における投資交渉は、促進、保護、円滑化、自由化の4つの柱を含む。

IV . 経済及び技術協力

RCEP における経済及び技術協力は、参加国間における開発格差を縮小し、RCEP 協定の 実施による相互利益を最大化することを目指す。RCEP における経済及び技術協力の規定 は、ASEAN 及び RCEP に参加する ASEAN の FTA パートナー諸国との間の既存の経済 協力の取決めを基礎とする。協力活動には、電子商取引及び RCEP 参加国によって合意さ れるその他の分野が含まれるべきである。

V. 知的財産

RCEP における知的財産に関する条文は、経済統合及び知的財産の利用、保護、執行にお ける協力を推進することにより、貿易及び投資に対する知的財産権関連の障壁を削減するこ とを目指す。

VI. 競争

競争に関する規定は、競争分野における能力及び国家制度に関する RCEP 参加国の間の 大きな差異を認識しつつ、競争、経済効率及び消費者の福祉の促進、並びに反競争的な慣 行の抑制に関する協力を行う基礎を参加国に提供する。

VII. 紛争解決

RCEP は、協議及び紛争解決のための効果的な、効率的な、かつ、透明性のあるプロセスを提供する紛争解決メカニズムを含む。

VIII. その他の事項

RCEP 交渉は、RCEP 参加国間の FTA で包含されており、交渉の中で特定され、及び合意 される他の事項を含めることを検討し、かつ、ビジネス実態に即して新たに生じる事項も考慮 する。
RCEP 交渉は、2013 年の早期に開始し、2015 年末までに完了させることを目指す。

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