COP25をめぐる問題点は?

12月2日から始まるCOP25は、当初予定されていたチリでの開催がチリ政府による開催返上で、マドリードに会場を変更しておこなわれます。

この会場変更については、マドリードでCOP25への対抗フォーラムとして開かれる「気候のための社会サミット」呼びかけは、「チリのセバスチャン・ピネラ政権が、チリやラテン・アメリカの社会運動が何ヶ月もかけて準備してきたことを無視して、チリで予定されていたCOP25の開催をキャンセルした」「ヨーロッパの国で三年連続してCOPを開催することは明白なヨーロッパ中心主義の現われである」と批判しています。

また、FoE Japanのブログでも、「サンティアゴではすでに市民社会サミットも計画されていました。開催1ヶ月前の突然の開催地変更は、参加を予定していた市民参加者、経済的に制約の大きい途上国の参加者に追加的なコストと手間を強いることになりました」「また、一昨年のCOP23はフィジーを議長国としてドイツのボンで開催され、昨年のCOP24はポーランドで開催されました。来年はグラスゴーで開催することが決まっており、4年連続でヨーロッパでCOPが開催されることになります。COPの開催地は毎年大陸持ち回りで、多様な地域の市民社会の参加を確保してきましたが、物価の高いヨーロッパでの開催は、途上国の参加者にさらなる経済的負担を強いることになります」と批判されています。

では、COP25では何が課題とされているのでしょうか?12月1日付の毎日新聞は、COP25の課題として次の点を指摘してます。
*パリ協定の下で温室効果ガス削減を進めるための詳細ルールの最終合意
*削減目標を引き上げる合意の採択
*「市場メカニズム」(他国の排出削減を支援することで、削減された排出量を自国の排出量から差し引くことができるというシステム)の実施ルールの合意

加えて同記事では、石炭火力発電の新設中止を求める国連事務総長の求めに対して、石炭火力を推進する日本政府への批判が強まっていることが指摘されています。

「市場メカニズム」については、自国の排出量を実際に削減しなくても、他国の排出権やクレジットを買い取ることで削減量にカウントされるため、地球温暖化を食い止めるのに何ら実質的な貢献を果たさないもので、社会運動や市民社会から大きな批判を浴びています。

前述のFoE Japanのブログでも、「排出量を「排出権を売却した国(削減努力を行なった国)」と「排出量を買い取った国(買い取って排出分を相殺した国)」の両方で削減としてカウントしてしまうと、重複して削減量をカウントしてしまうことになります。これを避けるため、調整を行う方法やどの範囲で調整を行うのかなどが議論になっています。また、これまでに発生しているクレジットを2020年以降にも使えるようにしたいという国も存在します。これまでに発生しているクレジットは数十億トン分に相当し、これを許せばさらなる大型排出が可能になってしまいます。市場メカニズムは結局、排出削減努力を行った分どこか別のところでの排出を許してしまうため、絶対的な削減が達成されるわけではありません」と反対の姿勢を明確にしています。私たちもこの見解に賛成です。

直面する気候危機を解決するためには、まさに「多国籍企業等の利益や経済成長を優先する社会から、自然やそれとともに生きる人々を中心にすえた持続可能で民主的な社会への抜本的な変革(System Change)」(FoE Japanのブログ)が必要です。

FoE Japanのブログ「COP25マドリード開幕 – 気候危機を乗り越えるために今システムチェンジを」
https://foejapan.wordpress.com/2019/12/02/cop25/

この記事へのコメント