COP25をめぐって〜環境NGOの厳しい評価

COP25(国連気候変動枠組条約締約国会議)は、交渉が難航し、会期を2日間延期して終了しましたが、環境NGOは厳しい評価を下しています。

今回のCOP25の獲得目標は、大きく分けて二つありました。一つは、COP24で積み残されたパリ協定の実施ルールについての合意、とりわけパリ協定6条の排出取引市場メカニズムのルール作成であり、もう一つは、国別の温室効果ガス削減目標を引き上げる機運の醸成です。COP25は、このいずれについても、成果を残すことなく終了しました。

われわれは、多くの環境NGOと同じく、排出取引市場メカニズムそのものに反対していたので、これについて合意できなかったことは歓迎されるべきことではあります。しかし、削減目標の引き上げについては、議長国チリの出した合意案について、「気候関連の会議で、科学と世界の人々が求めている内容とここまでかけ離れたものが出されようとしているのは見たことがない」(「憂慮する科学者同盟」オールデン・マイヤーさん)と言われるほど、ひどい内容でした。環境NGOも、この点について厳しい採点をしています。

気候ネットワークは、プレスリリースの中で、COP25が削減目標の引き上げについて「各国に行動強化を改めて求めることには踏み込めなかった」と批判し、市場メカニズムなどパリ協定の実施ルール作成に関しては「交渉終盤で探られる譲歩案によって、パリ協定の実質的な抜け穴となる恐れもあったことから、先送りをし、よりよい合意を目指すほうが賢明だったという面も否定はできない」としています。

気候ネットワーク・プレスリリース
https://www.kikonet.org/info/press-release/2019-12-15/cop25-statement

地球環境市民会議(CASA)も、「2050年排出実質ゼロと各国の削減目標を引き上げる機運を作れなかったことは、COP25はその任務を果たせなかったと評価せざるを得ない」と否定的な評価をしています。市場メカニズムなどの「パリ協定の運用ルールに合意できなかったこと」については、そのことで「COP25が失敗したとは評価しない」としています。

地球環境市民会議・プレスリリース
https://www.casa1988.or.jp/2/019/1216.1.pdf?V1912161307

また、350.orgは、メイ・ブーヴィ事務局長の声明の中で、「COP25は化石燃料産業の成功に終わりました。化石燃料産業は巧みに交渉の進展を妨げ、結果を骨抜きにし、勝利を手にしたのです。残り時間が少なくなる中、気候会議はまるで燃え盛る建物の中に人質が閉じ込められているような状況になりつつありました。人質にされたのは大半の気候交渉官や、人類と地球で、その間、化石燃料産業と数少ない傲慢な国々の政府が自分たちの主張を押し通し、交渉プロセスを乗っ取ったのです。結果、交渉官は3日間連続でこれにかかりっきりにならざるを得なくなり、その隙に化石燃料産業は、ほとんどの大きな問題をCOP26に持ち越すという非常に弱い合意文書を手にすることができたのです。」と述べ、cop25が失敗に終わったとの評価を下しています。

350.0rg Japanプレス・リリース
https://world.350.org/ja/press-release/191216/

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