神戸石炭訴訟・民事第6回期日のレポート(1/28)

1月28日、神戸石炭訴訟の民事訴訟第6回口頭弁論がおこなわれました。神戸地裁101号法廷には、初めて傍聴したという方々も含めて、傍聴席をほぼ満席にする原告や支援者で埋まりました。

口頭弁論の中では、原告準備書面(9)について、原告代理人が要約して説明。

まず浅岡弁護士が、「被告は、原告らが法的保護に値する権利を持っていないと主張しているが、気候変動による影響は、人の生命・健康などへの現実的で切迫した人権を脅かしている」と原告に裁判提訴の資格があると述べ、さらに昨年12月20日のオランダ最高裁判決の意義について、「(オランダの)国も気候変動の切迫性を認めた上で、2020年末で90年比25%削減(原告/NGO・Urgendaと886人の市民)か、それとも20%削減(国)か、が争点になった中、最高裁は原告の請求を認めた」とその意義の大きさを訴えました。そして、「「切迫した」とは「短時間内に現実化する」ことではなく、「脅威に直接巻き込まれる」ことであり、危険を防止する適切な措置が取られる必要性がある。国際的な水準での排出削減(90年比25%削減)が必要で、そのためには大口排出源からの排出削減が不可欠だ」と述べました。

続いて、池田弁護士から「神戸製鋼は大量排出者であり、これからは大量排出が人権侵害となる時代」「他の主張排出源とともにCO2濃度上昇の実質的に寄与し、進行中の気候変動を激化させ、人権を侵害する。新設発電所稼働によってCO2の総排出量を増加させないと被告は主張するが、その立証は被告がすべき、原告らの健康に影響がないというのなら被告が立証すべき」と準備書面の内容を説明しました。

さらに、裁判の進行について、池田弁護士から「神戸製鋼は、地球温暖化について「請求と関係ない一般論なので認否しない」としているが、一般論ではないので認否をして欲しい」、和田弁護士からも「神戸製鋼は、地球温暖化はないというのか、地球温暖化はあるが対策は必要ないというのか、地球温暖化はあり対策も必要だが、神戸製鋼は十分対策をしているというのか、はっきりと認否をして欲しい。地球温暖化は請求内容の一部をなしている」と被告側に地球温暖化についての認否を強く求めました。

弁論終了後、総合福祉センターで、期日報告会がおこなわれました。

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最初に、土田早苗さん(地球環境市民会議・CASA)が、マドリードで開催されたCOP25の参加報告をおこないました。土田さんはこれまで8回のCOPに参加してきたとのことで、パリ協定の内容紹介、COP25の課題(実施ルールの積み残し分、削減目標の積み上げ促進)を説明した後、「COP25では、多くの国が若者らの要請を受けて、脱石炭への意欲を見せ、気候変動ではなく気候非常事態宣言・気候危機であるという認識が広がったが、大量排出国が野心の引き上げを拒否したため、失敗に終わった。しかし諦めるわけにはいかない。COP25に日本は「手ぶら」で参加し、2回の化石賞を受けることになったのは、非常に残念だ。「日本が石炭を使うことで足を引っ張っている」という声が上がっていた。グレタさん「希望はみなさんの中にある」と述べている」と今後のとりくみの重要性を訴えました。

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質疑の中では、「明石市が市民からの請願によって、議会全員一致で気候非常事態宣言を出すことを決め、現在パブコメ募集中で、3月議会で決まるだろう。今後も見守ることが大事」という情報が明らかになりました。この方は、市政懇談会で市長に「グレタさんの思いをどのように受け止めるのか」質問したところ、市長は非常に前向きで、壱岐市で気候非常事態宣言が出されてことに言及したので、請願を出してみたとのこと。

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続いて、デビッド・グリンリントンさん(ニュージーランド)が、市民が起こす環境訴訟の現状について、以下の点についてレポートしました。①人権に依拠した裁判が増えている、②環境の権利と義務の根拠〜国際法・憲法(環境権)・州の法律条例・裁判所の決定、③市民が起こす環境訴訟の障害となるもの〜法的な権利・義務でないといけない、原告適格(裁判を起こす資格、NZでは自然に法人格を与えて原告になりうる)、お金、裁判費用負担(日本にはない)、「スラップ」(公共参加に対する戦略的損害賠償請求訴訟)、④世界での訴訟の状況〜USA・ジュリアナvs連邦政府訴訟、イギリス・クライアント・アースvs国務省訴訟、パキスタン・農民vs連邦政府訴訟、ニュージーランド・トンプソンvs環境省訴訟、オランダ・最高裁判決など

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神戸石炭訴訟の弁論の予定は以下の通りです。

民事訴訟(第7回)4月14日(火)14時、(第8回)6月30日(火)14時30分、いずれも神戸地裁101号法廷
行政訴訟(第6回)2月17日(月)14時、大阪地裁1007号法廷


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