パーム油発電による地域と海外の環境破壊にNo!舞鶴市民の勝利を福知山へ、全国へ(8/30集会)が開かれました

8月30日、ひとまち交流館・京都で、「パーム油発電による地域と海外の環境破壊にNo!舞鶴市民の勝利を福知山へ、全国へ」を掲げて、パーム油発電所建設を阻止した舞鶴市民の闘いの勝利報告・交流の集いが開かれました。主催は実行委員会で、ウータン 森と生活を考える会、グローバルジャスティス研究会などが協賛。

IMG_8497.jpeg
IMG_8504.jpeg

<報告>
報告:「市民の力で危ない事業を止めた!」
石崎 雄一郎さん(ウータン 森と生活を考える会・事務局長)

昨年12月にグローバルジャスティス研究会でパーム油発電について報告してから半年で舞鶴での建設がストップした。

舞鶴市のパーム油発電は、FIT(固定価格買取制度)を活用して、パーム油を燃やし、再生可能エネルギーとして売電する仕組み。20年間で1,500億円の利益が出るという試算もある。舞鶴グリーン・イニシアティブス合同会社が事業者、運営は日立造船だが、出資者がコロコロ変わった。今年4月以降、出資会社、運営会社、舞鶴市が撤退を表明し、合同会社の清算手続きが始まった。

本来は海外のパーム油を輸入して発電するのは利益が出ないはずだが、それを可能にしたのは固定価格買取制度。2017年9月までは1kwhあたり24円。買取価格は年々低くなっている。再エネ賦課金は電気料金から支払っている。平均すると、各家庭で払っている電気代の内の年間1万円弱が再エネ賦課金に充てられている計算になる。

私たちは、FIT制度にパーム油が入っているのが問題だと主張してきた。パーム油は、アブラヤシから採油する。熱帯林を一度全部伐採して、アブラヤシだけを植える。収穫後48時間以内に搾油する必要があるため、大規模な農園が必要となる。全部合わせると日本の面積の半分くらい。マレーシア(マレー半島、ボルネオ島など)、インドネシア(パプアニューギニアなど)で世界の80%を占める。先住民居住地域が土地収奪されるとともに、オランウータンの生息地域が破壊されている。農薬、洪水・旱魃の影響や強制労働・児童労働など過酷な労働環境が問題となっており、周辺からの移民労働者が働いている。2015年の大規模森林火災では、260万ヘクタールが焼失し、日本の1年間の排出量を超えるCO2(16億トン)が排出された。泥炭地のCO2が、火災や農園開発の過程で排出される。欧州は森林破壊を伴うバイオ燃料を認めない方向なので、日本に買い手を求めている。

FITバイオマス発電のうち、パーム油とPKS(パーム油を絞ったあとのヤシ種殻)で8割を占めた。環境エネルギー庁がワーキンググループを設置したが、その調査でCO2排出が天然ガスより多いことが判明。泥炭地開発による排出を加算すると石炭の20倍以上になる。

舞鶴でのパーム油発電について、大阪で昨年6月、舞鶴で9月に学習会を開き、多くの方に参加してもらった。舞鶴でも関心が高かった。学習会を契機に、舞鶴で反対運動が起こった。サイト、署名サイト、SNS、のぼり1万本運動、ステークホルダーの巻き込み、舞鶴市議会での質問、経産省・環境省への要望、メディアでの取り上げ。ダイベストメント、金融機関・投資家へのアプローチなど、できることは何でもやった。

4月にカナダのアンプ社が撤退、6/13に三者協議会(喜多地区環境保全委員会・舞鶴市・日立造船)で地元住民が反論、6/23日立造船株主総会で株主質問「今後、パーム油発電はしません」との回答を役員から得た。

成功のポイントは、地域住民の熱意+NGOの専門知識で、ストーリー性、話題性を発揮したこと。

福知山のパーム油発電所では、事故、臭い、騒音などが大きな問題が出ている。いまは一時的に止まっているが、廃炉までいかないといけない。宮城県ではHISの子会社がパーム油発電事業に乗り出している。私たちは旅行会社がエネルギー事業を進めるリスクを訴えていく。群馬での動きもある。元凶はFIT制度にある。署名サイトなど、FIT制度をやめさせる取り組みをしていく。

<舞鶴から>
「運動の経過と私たちが訴えたこと」
大西寛治さん/舞鶴西地区の環境を考える会、喜多地区環境保全委員会

自宅は、発電所の敷地から80mしか離れていない。200世帯ほどの喜多地区で、区長は当初推進派だった。喜多地区環境保全委員会をつくって、その代表として取り組みを始めた。

問題の根幹には、パーム油の問題、FIT制度についての無理解(儲けるだけ儲けて、20年で補助金がなくなればやめる)、経済優先の行政施策と議会制民主主義の崩壊(市長自ら推進しようとしたし、与党議員が8割、地元選出議員は市長派)、法整備の遅れ、ディーゼルエンジン発電の宿命的欠陥(NOxが大量に出る、巨大なエンジンを20台並べる)がある。

やったことは、住民学習会・フォーラムの開催、専門家・有識者を招いた講演会、京都自由法曹団弁護士学習会、署名活動(98%の世帯から署名、書かなかったのは市職員だけ、与党議員が「強制的に書かせた」と議会で発言)、自治会総会全一致で反対決議、ネット署名18.000筆、のぼり側の設置、政府への要請、メディア対策、株主総会での発言など。行政・事業者の住民説明会も、第3回以降は公開原則を主張、メディアも入れて。

舞鶴パーム油発電所の窒素酸化物(NOx)排出量は、わずか66MWの発電で1800MWの石炭火力発電所よりも多い排出量を出す。騒音・振動も大きい。
成功のカギはCSR(企業の社会的責任)、投資がなければ事業ができないという点に着目した点が大きい。意外に早く撤退をかちとることができた。

「勝利の方程式はこれだ」
森本隆さん/舞鶴西地区の環境を考える会・代表

勝利の方程式、反対運動の裏側を明らかにしたい。私は、もともとは、行政の動向を徹底的にリサーチし、助成金を得ていた立場だった。舞鶴の煉瓦はひらがなで「れんが」だったのに、舞鶴赤「レンガ」とされたため、反対を訴え、そのあと徹底的に市から干された(助成金申請の受付を拒否される等)。

この闘いは、ラストチャンス、最後の正義、誰もが勝てると思ってない闘いだった。市議会はほとんど敵、行政は完全に敵、市民はあきらめムードだった。こう着状態に持ち込んで、2年間くらい引き伸ばせば、行政は決断できない、そこを逆手に取ってやろうと思った。

日本は、正論は通じない社会なので、ありとあらゆる手を尽くす。私の隠れ目標は刑事罰を受けないことだった。民事は覚悟していた。闘いの中で、追い詰められてテロリストになる人の気持ちがよくわかった。

活動では、人の言葉にヒントあり、楽しんで活動することが大事。それと、お金の問題も大事。持続可能な活動(手間のかからないような活動、会員の負担を避ける)、見せ方を考えた。

お金は、寄付(自分の代わりに活動してくれている、自分は活動できなくても)をお願いした。自腹では続かないし、金でかなりのことは解決できる(手間が省けて、他の活動に力が注げる)。

持続可能な活動については、とりあえずチャレンジ、お願いする・助けてもらう、否定しない、マイナスの感情を上手に利用(正義のヒーローとして)、長期目標を設定することが大事。

見せ方は、漫画を参考に、中学生でもわかる内容に(文字数を減らす)、キャッチーな言葉・見やすい画像(専門家に依頼する方がいい、素人だと見てくれない、デザインには時間と金を使おう、人の心を動かす、相手にダメージを与えるデザイン)、ディテールにこだわる(活動中に3回髪型を変えた)ことを考えた。

心理戦を避けるな!敵もしんどい、エゴサーチを仕掛けろ!顔出しは効果大、誰が発信しているか?ある程度のリスクをとって発信することが重要。そうすると、敵の中からも応援してくれる人が出てくる。

福知山から:
「三恵観光のパーム油発電所、周辺住民が行動を起こすまで」
三谷義臣さん/三恵バイオマス発電所悪臭騒音対策会議

福知山土師新町東区は、人権を侵害された街だ。パチンコ屋のあった跡地に、パーム油発電所が突然できた。メンテナンスのために、始めは軽油を燃やすが、黒煙と臭いがひどい。夜に一度起きると寝付けないほどの騒音だ。

三恵バイオマス発電所は、三恵観光が事業者で、ここを実験場にして全国展開するつもり?

2016,12,13第1回住民説明会、翌年2月の第2回説明会で、住民で4項目を約束した。

事業者による虚偽説明、経産省のチェック機能の欠如。

住民の健康被害をアンケート調査すると、悪臭・騒音で苦痛を感じている。弁護士から、脅しともとれるような自治会長宛の手紙が来た(昨年6月)。福知山市議会で反対の請願が採択(昨年9月)。ばい煙・低周波音の問題もある。ディーゼルエンジンの製造業者は、軽油以外の燃料での運転を認めていない。経産省に質問を出している。

今年3月6日から運転は止まっている。公害調停を申請(地域住民107人)、三恵観光と福知山市長を相手に。

<質疑>
Q.福知山の発電所が止まっているのはなぜか?
(三谷)「メンテナンスのため2週間止まる」と事前にメールがあった。メンテナンスをする様子もなく、ずっと止まっている。「コロナのため部品が入ってこない」などの理由が言われていたが、稼働時期がずるずる延びていっている。なんで止まっているのかは把握できていない。

Q.1万本ののぼりはいくらかかったのか?その情熱はどこからきているのか?
(森本)300本(1本1200円)購入して立てたところで、断念させたので、1万本は立てていない。浅岡弁護士から「1万本くらい立てないと勝てない」と言われたので、それくらいの気力を見せる必要があると思った。1万本やるとぶち上げると、すぐに250本くらいはすぐに集まった。反対する意思を示すために、のぼりを1200円で買って立てるというとりくみだった。他の旗を見ても、パーム油発電反対の旗と勘違いしてくれるまでになった。

Q.(石崎さんが見せた)ビデオの説明を?
(石崎)キットカットが森を切り開いているというグリーン・ピースが製作した映像で、安いチョコレートは代替としてパーム油を使っている。さまざまな加工食品に使われている。「植物油脂」と書かれている部分の多くはパーム油。〇〇さんが来られているので、補足の説明を。
(会場から、○○さん)「油の政治経済を」研究している。パーム油は100年前にはほとんど食べられていなかった。第二次大戦後に精製されたパーム油が加工食品に使われるようになった。加工食品や外食産業の発展とともに消費が増えた。燃料の方が消費が多いので、供給側からはビジネスチャンスとして燃料として普及させようとしている。

Q.舞鶴市政はどんな感じなのか?
(大西)日立造船は造船業から撤退する。そのことで、雇用が失われる。他にも撤退している企業が出ている。市は企業誘致に必死になっているところがある。日立造船を無理に誘致した経緯がある。明石市の市長が言っているように、これからは企業誘致は無理で、別のあり方を考えなければならない。エコロジー社会に向けて、本当に考えていく必要がある。
(森本)うるさい経営者には助成金を与えて黙らせとけという姿勢が顕著。自衛隊、海上保安庁など公務員が多い。自衛隊の国防費で、赤レンガ施設の整備をしている。老人施設の跡地に、防衛費を使ってホテルを誘致しようという話もある。市長のリコールの話もある。市民を舐めるなよ、ということを見せたい。

Q.日本各地でのパーム油発電は?
(大西)福知山以外で3つの発電所が稼動している。HISの発電所は建設できているが、まだ稼働していない。基準を満たしたパーム油が入手できていないのでは?石巻で計画中のものは、10万MWと非常に大きい。パーム油ではなく、アフリカのアブラギリという種の殻を使うとしているが、安定供給できないので実際にはパーム油を使うのではないか。
(石崎)茨城県に3ケ所ある。HISが言うには、フィンランドから技術者が来られないから、稼動できていないとのこと。石巻の燃料には、モザンビークから輸入するという話もある。
(大西)ソフトバンクが和歌山県の御坊市でパーム油発電所を計画していたが、断念して木質バイオの小規模な発電所を稼動中。
(森本)石巻の場合、震災で移住していった場所の近くに建設予定。外国からパーム油を買えという圧力があることを経産省も認めていた。

Q.福知山で働いている人は?
(三谷)働いているのは2名。夜間は無人運転。そのため、夜間に油が漏れだすという事故があった。下水管のところで油が詰まってしまった。

この記事へのコメント