【紹介】コロナとナショナリズム(小倉利丸さん)

小倉利丸さんのブログに「コロナとナショナリズム」が掲載されました。目次と冒頭部分を紹介します。全文は、小倉さんのブログをご覧ください。

http://www.alt-movements.org/no_more_capitalism/blog/2021/02/18/covod-19_nationalism/

コロナとナショナリズム
目次
1. ワクチンをめぐるあまり論じられないやっかいなナショナリズム問題
2. 「外国臨床データを受け入れる際に考慮すべき民族的要因について」
3. 日本の医薬品承認プロセスは国際的なルールに基くもののように見えるが…
4. ICH-E5と世界市場争奪戦
5. 厚労省の自民族中心主義によるレイシズム
6. 論理的一貫性に欠ける「民族的要因」を日本がゴリ押した?
7. 遺伝子で「日本人」を特定することはできない
8. 民族、人種と医学・薬学
9. 人種概念についての国際法と憲法
10. 見逃される科学のなかのナショナリズム―と科学的合理性と科学的不合理性の共存

1 ワクチンをめぐるあまり論じられないやっかいなナショナリズム問題

やっとワクチン接種が日本国内でも開始され、このニュースで持ち切りだ。先進国なのに、接種が遅くなったことに不満をもらす大国主義丸出しの報道や論評が多いように感じる。

ワクチンが一部の富裕国によって事実上買い占められ、貧しい国、地域に行き渡らないという問題については、「ワクチン」ナショナリズムと呼ばれて話題になってきた。すでに様々な議論もネットに登場しているので、本稿ではこの問題にはあえて言及しない。1 ワクチン開発のもううひとつの問題として、製薬大手多国籍企業が開発競争をすすめるなかで、技術の公開性よりも特許や知的財産を念頭に置いた秘匿性が優位にたち、共同開発も進まず、貧しい地域、国が技術のノウハウを独自に活かす可能性を奪われているという問題がある。市場経済の競争原理が不平等と不効率をもたらす典型的な事例だ。この問題も本稿では取り上げない。この二つの問題はグローバルな社会的平等と、そのために必要な医薬情報と医薬品への自由なアクセスの問題として重要であり、私たちが目指すべき社会は、社会的平等に基く自由な社会であるべきだが、資本主義はこの条件を満たしていないことをCOVID-19パンデミックは端的に示した。だから、本稿で取り上げないからといって本稿の課題よりも軽い課題だということではない。この点に留意しながら本稿のテーマに取り組みたい。
(以下略)

この記事へのコメント