【賛同署名】米国議会の香港人権法案──進歩的観点からの批評

香港では民主化を求める運動が持続していますが、政府の弾圧も激しさを増しています。香港のリベラル団体などがアメリカ議会に働きかけた香港人権民主主義法案は、米下院を全会一致で通過し、上院での審議が始まろうとしています。

香港やアメリカ在住の左派の香港人のあいだでは、法案の問題点が指摘されており、ひろく海外に向けて、以下の賛同署名を集め始めました。日本語に翻訳してもらったので、ぜひ一読して、個人、団体で賛同可能な方は、ぜひ賛同を寄せてください。

こちらのサイトに英語、中国語で掲載されています。
https://bit.ly/2qVOrkI
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【賛同署名】米国議会の香港人権法案──進歩的観点からの批評

今月[2019年10月]、何万人もの香港人が、北京からの圧力に対抗することへの米国の支援を引き出すために「香港人権民主主義法」(香港人権法)を支持して米国領事館へデモ行進を行った。香港人権法は米国議会で審議中の法律で、香港の抗議活動に関与する複数の著名な個人や団体の支持を得ている。法案は全会一致で下院を通過し、現在上院に送られたところだ。この法律は「香港の人々の民主的な願意を支持する」ことを約束するものであるが、この支持は結局のところ「アメリカ合衆国の香港における権益に直接関連する」要素についてのみに限定される。したがって、この法案の条項は米国の外交政策や国益と深く絡んでいる。さらにこの法案は、香港の抗議活動参加者たちが掲げる基本的な要求への支持に言及しておらず、大問題となっている香港特別行政区政府の抑圧的な法律への非難もない。この法律を無批判、無条件に支持することは、香港人が目指す自治をさらに弱体化させるための機会を作り出しかねない。

この法案は自由を求める香港の闘いを支持するかのように見えるが、米国のイランや北朝鮮への制裁強化に寄与することや、米国からの内部告発者を含む政治逃亡者の米国への送還に協力することまでをも香港に強いる条項がいくつかある。

2003年の不当なイラク侵攻から、1979年に当時国民党政権だった台湾が中国を代表する唯一の正統な政府であるとの承認を突然撤回したことまで、経験と歴史からは、米外交政策の方向性が必ずしも海外の人権、自決権、市民民主主義を保護してはこなかったことがわかる。台湾の主権についてどのような立場をとる人にとっても、アメリカが過去何度も、他の人民の自決権保護を裏切ってきたことは動かし難い事実である。直近では、トランプ政権がクルド人への支援をこのほど撤回したことに見られるとおりだ。我々は、香港がかつてエドワード・スノーデンを米国に引き渡すことを拒否したのを忘れてはならない。この時の香港政府の決定は人権と言論の自由を尊ぶことの表れとして、当時広く香港人に支持さ
れた。運動の精神に則れば、香港人の自治権を認めることは、他国の外交政策上の野心とは切り離して扱われなければならない。米国議会は以前、このような法制においては、こうした切り離しが決定的に重要であると示したことがある。一例としては1986年の包括的反アパルトヘイト法である。この法律は、米国自身の政治的経済的利益には一言も触れず、国際社会と共に南アフリカのアパルトヘイト体制に反対する立場をとった。

さらに今回の法案は、1992年の米国香港政策法に基づく、香港に「充分な自治」があるかどうかを決める米国の権利を改めて認めるものになっている。米国は決して否定的認証を出さない経済的動機付けがある、と主張するグループもある。しかしそれは主要な批判点ではない。我々の批判は、現在香港人権法に付けられた条件下によって、香港の自治権や民主的自決権が(中国とは違う)別の外国勢力によって制約されるということである。これは逃亡犯条例反対運動がもともと目指していた理念とは正反対のである。

この法案は何度かの修正を経たにもかかわらず、(五大要求のうちまだ達成されていない)四つの要求、すなわち、1)抗議行動を”暴動”としたことを撤回する、2)逮捕された抗議活動参加者たちを釈放し罪に問わない、3)警察の職権濫用を調査する独立委員会を設置する、4)立法会議員と行政長官の普通選挙、をきちんと挙げて支援するということをしていない。香港政庁がいまだに全市民に投票権を付与できていないことは非常に恥ずかしいことである。また、法案の内容を書き直し、林鄭月娥/キャリー・ラム(行政長官)がこのほど植民地時代の緊急事態規制条例を使って、一定の状況下以外での覆面を禁止したことへの非難を入れなければならない。これはあからさまな人権侵害であり、超法規的な戒厳令施行に等しい。

最後に、香港人権法が、今回の運動のずっと前から展開されてきた、まだ政府が答えていない他の重要な基本的人権のための闘いを進めることに役立たないなら、みせかけの支援にすぎなくなる。労働団体やその他の政治団体は香港返還直前のごく短い期間、香港の労働者のために団体交渉権の実現を勝ち取ったが、1997年の返還後ほんの数週間のうちに香港政庁はこれを潰してしまった。以来、多くの政治団体や市民社会の権利擁護者たちがこの権利を取り戻し、全ての労働者に基本的な民主的権利を確保するために闘ってきた。こうした基本的人権への要求は常に香港政庁に抑えこまれてきた。香港の人権と民主主義を支援する国際的運動は、この点にも取り組まねばならない。

したがって、我々は市民社会の権利擁護者、進歩的な組織・団体、その他の香港人の闘いを支援する人々に、米国議会へ下記の点に取り組むよう求めることを要請する。

1.抗議活動の参加者たちが掲げる五大要求のうち、残る四つの要求への支持を宣言すること。
2.香港政庁に覆面禁止条例の即時停止を求めること。
3.蜂起の鎮圧や他の群衆制御のための武器を香港警察へ売ることを禁ずる「香港保護法」を支持する。香港警察は米国製の催涙ガス兵器を用いて抗議行動の参加者やジャーナリストに対するテロ行為を働いており、その被害がデモに参加していない地域社会の住民にも及んでいる。
4.香港人権法案の下記の点を変更すること。
a.「香港人の民主的願い」を支援することとは何ら関係ない、しばしば香港人の利益を犠牲にして米国自身の国益に寄与するだけの条項、特に、北朝鮮とイランへの制裁、米国の「政治犯」の送還にかかる協力等、米外交関連の条項を削除すること。
b.この法案を、1992年米国香港政策法に含まれる制約から切り離すこと。香港の自治権は、中国であれ、米国であれ、海外の大国の手中に委ねられてはならない。
c.団体交渉権を支持する条項を加えること。

米国議会が法案の名称どおりに香港の民主のための闘いに敬意を表することを真に望むのであれば、これらの点に取り組まねばならない。

五つの要求、どれ一つ欠かさない!

署名
・Asian American Feminist Collective
・Asian Pacific American Labor Alliance (APALA)
・無國界社運Borderless Movement (香港)
・Eli Friedman, Associate Professor, Cornell University
・Nancy Holmstrom, Professor Emerita, Rutgers University
・Lausan 流傘Collective
・夜貓The Owl (香港)
・Pacific Rim Solidarity Network 跨太平洋互助網絡
・先驅社Pioneer Group (香港)
・Red Canary Song 红莺歌
・Solidarity
・Transnational Solidarity Network
・Q-Wave NYC

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