神戸石炭訴訟行政訴訟(第6回)傍聴記

2月17日、大阪地裁において、神戸石炭訴訟行政訴訟の第6回口頭弁論がおこなわれました。

まず、14時からはじまった口頭弁論では、双方の提出書類の確認の後、原告代理人の池田弁護士から原告準備書面(6)のポイントについて説明がありました。まず裁量権の問題について、「行政処分の裁量は広い範囲にわたることは認めざるを得ないが、人権侵害のおそれがある場合、国民の健康に差し迫った危険が及ぶ場合には裁量権は制限される。裁量権の範囲を画するのは、国の環境配慮義務である。国の公約としてのパリ協定に基づいて、アセスメントに関する裁量も制限される」との主張を展開しているとのことでした。

続いて、浅岡弁護士が、昨年12月のオランダ最高裁判決の意義について「時間的経過を経たあとでも被害をこうむる気候変動の特性にもとづいての判断をしている」と述べ、さらに被告・国が「2013年の『局長級とりまとめ』の枠組みの中での通産大臣の裁量権は適法」と主張しているのに対して、「『局長級とりまとめ』がパリ協定の前のものであり、日本の排出量削減目標にも合致していない。合致しているというのであれば、国がそれを立証すべき」と国の主張に反論しました。

その後で、裁判長が、裁判の進め方について、原告に「6〜7月に弁論を終結できないか」と打診するなど、自らが判決を書きたいという意欲をうかがわせる一幕がありました。結局、次回は法廷の関係で進行協議になり、原告からは「実体的被害について」「被告準備書面への反論」「PM2.5についての補充」を次回と次々回までに提出することになりました。人証についても、専門家証人も含めて、次回までに原告の考えていることを示すということになりました。最後に、裁判長は今後の進行について「秋には弁論終結、来年度中に判決」という考えを示しました。

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裁判に引き続いて、大阪弁護士会館で開かれた報告会・学習会では、最初に池田弁護士から、「裁判長の訴訟指揮からすると、原告適格は少なくとも何人かは認められるのではないか。国の確定通知は試験の合格通知のようなもの。われわれは、その合格にいたる採点基準が間違っているのではないかと主張している」と今回の裁判についての説明がありました。

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浅岡弁護士からも「裁判長は自分で判決を書こうとしていることが感じられた。判決を出すのに困らないように、高裁に行ってもひっくり返らないように、証拠を積み上げていくことがわれわれの任務」とここ数ヶ月の原告・弁護団の活動の重要性が訴えられました。

学習会では「オランダ最高裁判決の紹介」として、昨年12月の判決の意味や判決に至る背景などが報告されました。次回は、非公開の進行協議となり、次々回はおそらく6月下旬から7月にかけて開かれる見込みですが、日程は未定です。

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なお、オランダ最高裁判決については、浅岡弁護士による報告レジュメが気候ネットのサイトで見ることができます
https://www.can-japan.org/wp-content/uploads/2019/12/%e3%82%aa%e3%83%a9%e3%83%b3%e3%82%bf%e3%82%99%e6%b0%97%e5%80%99%e8%a8%b4%e8%a8%9f%e6%9c%80%e9%ab%98%e8%a3%81%e5%88%a4%e6%b1%baCOP25%e4%ba%ac%e9%83%bd%e3%80%80%e3%83%86%e3%82%ad%e3%82%b9%e3%83%88.pdf#search=%27%E3%82%AA%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%80%E6%9C%80%E9%AB%98%E8%A3%81%E5%88%A4%E6%B1%BA+%E6%B0%97%E5%80%99%E5%A4%89%E5%8B%95%27

また、ビジネスの立場からの論評として、以下のサイトで記事が読めます。
https://business.nikkei.com/atcl/seminar/19/00122/00054/?P=2

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